経理のスキル分解

経理のスキルを分解してみる

  • 電卓
  • エクセル(VBA、マクロ含む)
  • 俯瞰力
  • 戦略的思考
  • 管理会計
  • 財務会計
  • 仮説思考
  • コミュニケーション
  • 段取り(タスク管理)

私の仕事を振り返って分けると、この9つになりました。

経理で使うスキルの汎用性について

経理の仕事が特殊だと言われる理由は、
企業の経済活動を帳簿に入力する”仕訳”にあると考えています。

先ほど分類した経理のスキルを見ると気付くと思いますが、
使うスキルはどの仕事でも必要なスキルだと思いませんか?
つまり、
基本的なスキルの上に専門的なスキルが乗っかっているだけです。

経理にとって戦略的思考の重要性について

経理の仕事=ひたすらパソコンに向かって黙々と入力している…

確かにその通りですが、
「経理こそどんどんお客さん情報を取りに行くべき」だと考えています。
と言うのも、
会社のお金の流れを最も知っている部署だからです。

  • お客さんとどんな会話をして契約に結びついたのか?
  • お客さんはどんな要望を持って、来店されたのか?
  • 会話をする中で見つかった要望はあるか?

お客さん情報×お金の流れを組み合わせて、
利益を最大化する方法を営業の方たちと協力して作っていく。

そこで重要になるのが「戦略的思考」だと考えています。

  • お客さんにもっとも価値を提供できる商品は何か?
  • アップセルパックを作れないか?

経理はデータを扱う仕事です。
だからこそ発言が”机上の空論になりやすい”ことを理解した上で、
お客さんの生の声を分解して、利益を最大化するプランを考える。

経理がないがしろにされる一番の理由は、

「現場との間に壁があるから」ではないでしょうか。

私の仕事は仕訳だから~とか。
私の仕事は後処理だから~とか。
経理としての仕事のベースはあっても線を引かないで視点を高く持って、

「利益を最大化する」ためにあなたが出来ることは何か?

部署とか関係なく考えることが最も必要になると仮説を立てています。

経理で身に付けた1つの大事なことと3つのポータブルスキル

「経理でどんなことが成長するのか知りたい」
「無駄な時間を過ごさないためにどんなことを意識したらいいだろう?」
「これから学ぶと良いスキルのリストが欲しい」

こんな方に向けて記事を書きました。

このツイート。

仕事で得られる物を冷静に分析しつつ仕組みや流れを作っておく。

そこからが仕事のスタートだと思います。

「何が相手にとって有益な情報かを考える」

これが経理をして学んだ1つの大事なことです。

目次

「仕事の本質を考え続ける」

経理の仕事の1つ帳簿を付ける時に、理由が必要だと前の記事に書きました。

そのために情報収集をしていくんですが、「なぜそれが必要なのか?」と考えることが物事の、仕事の本質を考える訓練になっているように思います。

一般的なイメージだと、”経理は伝票をパソコンに入力しているだけ”。

そんな風に思うかもしれないですが、入力するためにかなりの情報が必要になります。商品や備品などを買ったのは別の人でも、上司などは入力したあなたに質問してきます。

「なんでこの内容で入力した?」と。

質問に答えるには背景の情報を把握しつつ、その仕事の本質まで理解した上で説明する必要があります。

私は処理するために理由が必要なので質問しまくったら”経理ウザい”と散々言われてきましたが、仕事の本質を理解して、事実と背景を踏まえつつ処理するスキルは例え平社員の経理だとしても管理職や経営陣に近い考え方が求められると思います。

「3つのポータブルスキル」

  • 資料作成スキルで”相手を考える”

経理的にはお金の流れを基に決算書を作ったり、金融機関に提出する資料を作ったりします。

そこで大事なことが、相手を考えて資料を作るです。

経営陣に向けた現状の問題をまとめるのか?
社内の出来事を連絡するためなのか?
金融機関に対して業績を報告するためなのか?

伝える相手によって、情報の伝え方と表現が変える必要があります。

逆に言うと、相手を考えて資料が作れないと仕事が出来ないと判断されてしまいます。

資料を作る時は、「相手が求める情報は何か?」を考えると良いなと思います。

  • 経営者視点の分析スキルで”将来のキャリアを考える”

経営者は今後の事業方針を、事実を基にした数字で分析しています。

その考え方を自分の”将来のキャリアを考える”ために活かします。

自分の現状から課題などを分析して、”将来のキャリアを考えます”。

  • 管理会計で”毎日の仕事を見直す”

管理会計とは、自社の業績を良くするために作る社内向けの会計です。

つまり、現状を正確に把握して改善するための方針を作っていく。

その考え方を個人にも当てはめると役に立つと考えてます。

「無駄な時間を過ごさない」

意識しないと時間ってあっと言う間に過ぎますよね。

仕事中は勿論ですし、帰宅後もそうです。

経理として8年が経ちましたが、目標としていたレベルに到達できていないと実感してます。

その原因はこの2つです。

  • 仕事に対する意識が低い時期があって惰性で過ごしてしまった
  • 目標を見失った時期があった

学んだらアウトプットする大切さを実感してます。

「考える力を育てる」

“経理=考えて改善し続ける仕事”だと思ってます。

上司や過去の流れから言われたまま仕事も出来るし、指示通りにしていればいいと言われる時もあります。

けれど、経理に求められることは改善だと思ってるので、指示通りにしていればいいと言う人の言葉に従う必要はないです。

そんな人は、”現状維持は衰退の始まり”だと理解していないのだと思って、適当にいなしつつ自分なりに考えて仕事内容を改善すると良いです。

大切なことは正解を求めないことかもしれないです。

あなたなりに考えたことは現状の問題点を踏まえて出た答えです。

その答えを大切にして毎日改善していきましょう。

「相手のために出来ることを考えて行動する」

今まで考えて身に付けたことを活かして相手のために出来ることを考えて行動していきたいと思います。

お客さんや、業者の方、社内の人にとって何が役立つか?

周りの方を大切に思う気持ちがより良い仕事環境を作って、それが周りまわってあなたへ還元されると考えています。

自分さえ良ければいいと考える人もいますが、人の価値は

「まとめ」

相手の為に出来ることを考えて行動して、何が相手にとって有益な情報かを考える。

常に相手あっての仕事の経理だからこそ身に着いたことです。

経理を8年経験して身に付けた仕事のやり方10ヶ条

経理をすると俯瞰力と準備力が身につく

経理を8年経験して一番身に着いたことは、

「俯瞰力」と「準備力」です。

  • 今から経理の仕事を始める人
  • 仕事のやり方を見直している人”

こんな方に向けて役に立てば嬉しいなと思ってまとめました。

目次

  1. 話に聞き耳を立てる
  2. お金の流れをイメージする
  3. 資格は別にいらない
  4. 準備が超大事
  5. 全体を俯瞰する
  6. 全ての行動に費用対効果を考える
  7. 時間を確保する
  8. どんな細かいこともメモる
  9. タイピング練習する
  10. エクセルスキルを身に付ける
  11. まとめ

1.「話に聞き耳を立てる」

聞き耳を立てると聞くと良いイメージを持たないかもしれないですが、

仕事をする上で情報はとても大事です。

  • 直接関係する情報
  • 他部門に関係する情報
  • 会社全体で起きていることについての情報

経理をして感じたことが、社内外で起きていることを把握していないと処理が出来ないのです。

何故かと言うと、”お金の流れを記録する”には理由が必要だからです。

なので、経理だけに関係することだけでなくて会社の全ての情報を可能な限り集める意識を持つことは大事だと考えてます。

2.「お金の流れをイメージする」

経理目線にはなりますが、「この人は仕事が出来るな」と思う人はお金の流れをイメージ出来てます。

会社はお金があるから活動出来るので、そのお金の流れをイメージして自分の目標に向けて進んでいる人は仕事が出来ると理解して貰えると思います。

3.「資格は別にいらない」

これは経理を目指す人に向けてのメッセージですが、個人的に簿記の資格はいらないと思ってます。

と言うのも、経理の仕事において大事なことは事業内容を正しく記録することです。

そのために商品やサービス内容を正確に理解して、記録する方法を決めます。

勿論、資格があるに越したことはないでしょうが、ググればそれなりに正しい情報が手に入ります。

ググって得た情報を基に税理士に確認すればいいので、イレギュラーかもしれないですけどアリだと思ってます

ちなみに私は簿記2級に合格後、1級取得を考えたことがあったのですが取得後の効果がイマイチだったので止めました。

なので、経理の仕事をするなら簿記2級で十分だと思います。

4.「準備が超大事」

経理にとってこれが一番で超大事です。

これが全てだと言っても過言ではないです。

商品を仕入れて販売する仕事だったり、

製造して販売する仕事だったり、どんな仕事でも必ず支払いがあります。

支払うためのお金が販売した代金で賄える時は問題ないですが、

仮に金融機関で借りる必要があった場合は準備が必要ですよね。

いつ、いくら、どこへ、どのように支払うのか?

それら全ての情報を漏れなく把握して、準備します。

話に聞き耳を立てる必要性は準備とも繋がってます。

情報を掴んでいるから、内容とタイミングを考えて準備が出来ます。

準備

5.「全体を俯瞰する」

“会社全体の情報を掴む=全体を俯瞰する”と言い換えられるかもしれないです。

今、どこで何が起きているのか?

その問題にどう対処するのか?

お金が絡まないのであれば経理として動くことはないですが、

会社の問題においてお金が絡まないことは稀です。

なので、全体を俯瞰する意識がとても大切です。

6.「全ての行動に費用対効果を考える」

これは経理だからこそ意識したいことです。

経理は利益を生む部門ではありません。

私も8年間経理をしてきて、「金を稼がない経理のくせに」と言われてきました。

1面から見ればその通りです。

けれど会社はお金があって存続出来るので、経理は必要です。

持つべき問題意識は、稼ぐ部門でないからこそ自分の行動に費用対効果を考えることです。

「この行動は会社の利益に繋がるか?」

この質問をすることが大切だと考えていて、事あるごとに自問自答してます。

この言葉を自問自答することが、一人のビジネスパーソンとしての質の向上にも意味があります。

変化の少ない経理だからこそ、勉強して質を高める意識が必要です。

7.「時間を確保する」

お金の流れを記録する仕訳や、各種データをエクセルに入力したり、とにかく時間がかかる業務が多いのが経理です。

だからこそ、俯瞰する時間を確保したり、情報収集する時間を確保します。

一日中パソコンの前で作業しているだけでは他部門の方とコミュニケーションも取れないし、敬遠されがちな経理と他部門の方の間にさらに大きな壁が出来てしまうからです。

何よりも、思い通りに進まないことの多い経理業務だからこそ自由に使える時間を確保する。

時間を確保するために出来ることは何でもやってみると良いです。

8.「どんな細かいこともメモる」

これは経理だけに限った話ではないですが、仕事において記憶に頼ることは非常に危険です。

頼まれていた仕事を忘れてしまい、多大な損害を与えてしまった。

必要な商品の発注を忘れてしまい、お客様を怒らせてしまった。

忘れることによるダメージはきりがない程ですよね。

それを防ぐ唯一の方法が「メモる」だと考えてます。

メモる方法は何でもよくて、紙に書いたり音声で録画したり写メを取ったり。

とにかく忘れない、そのためにあらゆる手段でメモる。

〇〇さんに連絡する。

ボールペンを買ってくる。

こんな細かいことでも疎かにしない。

その積み重ねが信用を積み上げます。

でも、頼まれたことがどうしても出来ない時は理由を添えて正直に報告しましょう。

正直さは大事です。

9.「タイピング練習する」

あらゆる仕事で使うパソコンですが、仕事のスピードを左右するのはタイピングスキルだと考えてます。

ミスなく、多くの入力が出来ればそれだけ仕事のスピードを速められますよね。

仕事のスピードを速めようと思ったら、”ショートカットキー”も活用したいですがそれはまた別の記事で。

誰でもすぐに出来るスピードアップの方法がタイピング練習です。

“タイピング”で検索すると多くのサイトがありますが、

私は「e-typing」と「寿司打」で練習してます。

この記事を読んだらすぐに練習してみましょう。

下手でもいいんです。

まずはやってみる。

それが一番大事です。

10.「エクセルスキルを身に付ける」

経理はエクセルを使いこなせるかで仕事のパフォーマンスが変わります。

データを手入力するとそれだけ時間がかかるし、手入力している間は他の仕事が出来なくなりますよね。

でも、エクセルのVBAやマクロを使って自動化すればボタン1つでデータを操作出来ます。

その間、他の仕事が出来るし、休憩も出来ます。

自分の時間を確保する上でもエクセルスキルは必須だと考えてます。

以前は1時間かけて手入力してたことをVBAで自動化したら、ボタンを押すだけで作業が完了です。

時間とはこうやって作るのだと実感したものです。

私が毎日考えていることは「この作業を自動化できないか?」です。

自動化する仕組みを作るためにはそれなりの時間がかかります。

仮に作るまでに1週間かかったとしても、その後は大幅な時短が出来ます。

もし周りでVBAを使った自動化する仕組み作りに否定的な人がいたら聞いてみて下さい。

「1時間かかっている作業を5分で終わらせる方法が他にあれば教えてください」

ひたすら手を動かす仕事のやり方は卒業です。

パソコンの能力をフル活用して、自分の時間を作ることに集中しましょう。

11.「まとめ」

経理を8年経験して一番身に着いたことは、

「俯瞰力」と「準備力」です。

時短するための仕事のやり方についても学んできましたが、やっぱり一番大事なことは全体を見て準備する。

経理だけに限らず、どんな職種、どんな仕事でも役立つ経験だと感じてます。

目次

  1. 話に聞き耳を立てる
  2. お金の流れをイメージする
  3. 資格は別にいらない
  4. 準備が超大事
  5. 全体を俯瞰する
  6. 全ての行動に費用対効果を考える
  7. 時間を確保する
  8. どんな細かいこともメモる
  9. タイピング練習する
  10. エクセルスキルを身に付ける
  11. まとめ